文部科学省が、小学校でのプログラミング教育の必修化方針を発表しました。イギリスでは小中学校でのプログラミング教育を2014年より必修とし、アメリカでは多くの州や市でコンピューター科学の必修化が進んでいます。
子どもにプログラミング教育をすることって本当に必要なのでしょうか?また必要なのであれば、いつから始めるのが良いのでしょうか。
プログラミング教育の目的は?
そもそも小学生にプログラミング教育をする必要はあるのか、親同士でも話題に上がる機会も増えました。
東京大学教授(コンピューター科学専攻)の萩谷氏はこう述べています。
「プログラミング教育の目的を、あえて一つに絞るなら、情報学によって創造力を高めることだろう。プログラマーと呼ばれる技術者の予備軍を増やすことでは決してない。」
プログラミング教育によって、並列処理、問題分割、最適化といったコンピューター科学的な思考を養うのが一番の目的のようです。簡単に言うと、論理的な思考力を鍛えることが出来るというこでしょう。
論理的な思考ができると、料理、掃除といった生活面から、スポーツ、勉強にまで有利になります。
例えばケンカをした時にも、客観視し、どうして相手が怒っているのか、どう解決すれば良いのかと自分で探っていく事ができる力がつくのです。
そして、こういう思考は新ビジネスを始めたり、社会制度を設計したりするのに有効であることは明らかなのです。
いつから始めればいいの?
今小学生向けや、幼児向けのプログラミングの教室が増えてきました。
プログラミングコンテストで優勝したのは小学生!なんていうニュースも流れていたりしていて、焦る気持ちが出てくる親御さんもいると思います。
では、始めるのは早い方が良いのでしょうか。
子どもにはそれぞれの時期の思考過程の発達段階があります。それに従うと、プログラミングができるようになるのはだいたい9歳~12歳だということです。(もちろん全ての子どもがこれに当てはまるわけではありません)
これ以前からプログラミングを始めることはもちろん良いのですが、もし出来ないとなった時に、大人や本人が、向いていない、苦手分野だと思い込んでしまう事が問題です。
これはプログラミング教育に限らず、子どもの習い事などに共通することですが、小さいうちにやらせる事は、いずれ興味を持った時の、または、その知識によって化学反応を起こし、才能が目覚めるかもしれない時のための種まきだと思ってやらせてあげましょう。
年齢的にただ興味を持てなかった、理解できなかったが為に、苦手分野としてしまうのはとても残念ですよね。
教室によっては、小さい子どもにでも苦手意識を植え付けないような簡単なテキストを使い、感覚的にプログラムの基礎を理解できる工夫がされているところもあります。
上手に取り入れて種まきの分野を増やしてあげられるといいですね。
最後に
未来のIT環境は私達が想像できないほど激変する可能性が大いにあります。IT化の波を受け、今ある職種がどんどんなくなるとも言われています。そんなグローバル競争に打ち勝つだけでなく、論理的な思考力を身につけ、幅広い分野で活躍できるように、プログラミング教育を受けるという意味を私達親が理解してあげる事が大切ですね。