食中毒対策、予防法は?打ち勝つ腸力をつけるには

暑くなってきたこの季節。食中毒対策はかかせません。
家庭で調理する皆さんは特に、食中毒を防ぐ3つの原則と6つのポイントをしっかり押さえましょう。

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食中毒の原因とは

食中毒には主に細菌性のものとウイルス性のものがあります。
細菌性は、温度や湿度などの条件がそろうと、食べ物の中で増殖し、それを食べることにより食中毒を引き起こします。代表的なものに、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)やカンピロバクター、サルモネラ属菌などがあります。
一方、ウイルス性は食べ物を通じて体内に入り、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。代表的なものにノロウイルスがあります。

梅雨の時期から夏にかけて発生しやすいのは細菌性のもので、腸管出血性大腸菌の場合、35~40℃で最も増殖が活発になります。

食中毒の原因となる細菌やウイルスは私達の生活する至るところに存在している可能性があると考えましょう。
綺麗にしているキッチンでも、食器用スポンジやふきん、シンク、まな板などは細菌が付着、増殖しやすい場所ということを覚えておきましょう。

知っておこう。食中毒予防の3原則

厚生労働省では、「食中毒菌を『つけない』『増やさない』『やっつける』」を食中毒予防の3原則として掲げています。

  • つけない-洗う・分ける
    食中毒の原因となる細菌やウイルスを食べ物につけない様に、こまめに手を洗いましょう。
    食材を切ったらその都度手を洗う、というのはあまり実行されていないそうですが、細菌を広げないために大切なことです。
    包丁やまな板は肉や魚を扱った後には洗剤で洗い、殺菌しましょう。
    生のままいただくサラダなどは一番最初に作ります。
  • 増やさない-低温で保存
    細菌の多くは10℃以下で増殖のペースがゆっくりとなり、マイナス15℃以下で増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
    ちなみに、冷蔵庫内でも細菌はゆっくりと増殖していますので、早めに食べることを心がけましょう。
  • やっつける-加熱・殺菌処理
    ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するので、しっかり加熱して食べましょう。肉の場合、中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。
    また、肉や魚、卵などを扱った調理器具はよく洗って熱湯をかけるか台所用殺菌剤を使って殺菌しましょう。

食中毒を防ぐ6つのポイントとは

家庭で食中毒を予防するには、食品購入~調理、食べるまでの過程において、いかに細菌を「「つけない」「増やさない」「やっつける」を実践していくかがポイントとなります。
厚生労働省では6つのポイントを推奨しています。

  1. 買い物
    ・肉、魚等の生鮮食品や冷凍食品を買う順番は最後にし、持ち歩く時間を減らす。
    ・消費期限を確認する。
    ・肉、魚等の水分が漏れないように、ポリ袋に入れ、氷や保冷剤を付ける。
  2. 家庭での保存
    ・冷蔵、冷凍品はすみやかに冷蔵庫、冷凍庫へ入れる。
    ・肉、魚等の水分が他のものにかからないように、ポリ袋や容器に入れ、保存する。
    ・冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保ち、詰め込み過ぎない
  3. 下準備
    ・調理前には丁寧に石鹸で手を洗う。
    ・食材をよく洗う(カット野菜も洗う)
    ・生肉や魚、卵を触ったら手を洗う。
    ・冷凍食品は自然解凍ではなく、使う分だけ冷蔵庫や電子レンジで解凍す  る。再冷凍はしない。
    ・使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸し、しっかり乾燥させる。
    ・使用後の調理器具は洗剤を使ってよく洗い、熱湯をかけて殺菌する。
  4. 調理
    ・調理の前に手を洗う。
    ・肉や魚は中心部を75℃で1分間以上を目安に加熱する。
  5. 食事
    ・食べる前に石けんで手を洗う
    ・清潔な食器を使う
    ・作った料理は、長時間、室温に放置せず、冷蔵庫に保存する。(O-157は室 温で15分~20分で2倍に増殖する)
  6. 残った食品
    ・残った食品を扱う前にも手を洗ってから、清潔な容器に保存する。
    ・温め直すときも十分に加熱する。
    ・時間が経ちすぎたもの、少しでもあやしいものは思い切って捨てる。

お弁当の食中毒対策もしっかりと

・清潔な容器を使う。洗う時はパッキンまで外して隅々まで。
・ご飯を炊く時は梅干しを入れて炊くと抗菌効果がある。もちろんお弁当に入れて も良い。
・おにぎりは素手で握らずにラップを使って握る。
・水気をよく切る。
・よく冷ましてから詰める。
・長時間持ち歩く場合は保冷剤を付ける。
・車の中や日の当る場所に置く場合はクーラーボックスに入れる。

食中毒に打ち勝つ腸力をつける

衛生管理を徹底し、食中毒を防ぐのは大前提ですが、腸の持つ力、「腸力」をつけることにより、悪い菌に巻き込まれにくい腸にすることも大切です。

腸の持つ力、「腸力」とは

腸には全身の免疫の70%が存在し、抗体の60%は腸で作られていることが分かってきています。
腸内免疫を支えているのは、次の3つです。

・腸内細菌
近頃幾度となく耳にしているこの言葉。小腸にいる乳酸菌などの善玉菌が、悪玉菌の増殖を阻止します。
・パイエル板
腸にある集合リンパ小節でその中にあるM細胞という組織が、病原菌や細菌、ウイルスなどを攻撃します。
・リンパ球
腸には全身の70%のリンパ球が集中しています。その中のB細胞というものは抗体を作っています。

これらの腸内免疫を万全に働かせて「腸力」を高め、食中毒に打ち勝ちましょう。

腸力の高め方は?プロバイオティクスとは

腸力を鍛えるには、「食べる」ことによって善玉菌を増やすことのできる微生物、プロバイオティクスが重要です。
プロバイオティクスとして注目されているのが「植物性の菌」です。
乳酸菌などの動物由来のものと違い、微生物の育成を妨げる刺激物にも打ち勝ち、生き延びてきた強さがあります。そのため、胃酸や胆汁にも強く、生きて腸まで届きやすい特徴があります。

プロバイオティクスの植物性の菌としては、納豆、ぬか漬け、キムチ、すぐき、生味噌、塩麹、粕漬け、酵母など、日本と縁の深いものがずらりと並びます。

一方で、気を付けたいのが、保存料に使われる「ソルビン酸」。腐敗の進行を止める効果があり、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工食品にはよく使われますが、ソルビン酸が腸内の細菌の増殖を止めるのでは、と言われているのです。
添加物の多い食品を食べすぎないことも腸力を上げるポイントになってきます。

まとめ

食中毒を防ぐためには3つの原則と6つのポイントをしっかり押さえ、衛生管理を徹底すること。そして微生物の力を借り腸力を上げ、細菌に打ち勝つ体を作って行きましょう。

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